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若岡拓也の日本列島大縦走
若岡拓也の日本列島大縦走 #14
PAAGO MAGAZINEでは、日本列島大縦走中の若岡さんの走破記録を週ごとにレポしていきます。今週は一気に九州を南下。九州の山々は、彼が何度も走ってきたフィールドです。いよいよゴールが近づいてきました。みなさんもぜひ最後まで若岡さんの挑戦を一緒に応援してください!
日本列島大縦走の詳細については、こちらをご覧ください!
今週の記録
10/11 89日目 71.8km
山あいのルートから海沿いに変更。路肩が狭く、交通量が多いのを避けるためだ。前夜に廣瀬さんに相談して決めた。午前中は体が動かなくて海岸線に出るまで苦戦。徐々に走れるようになり、予定通り八幡浜のフェリー乗り場までたどりつけた。廣瀬さんの声かけもあり、夕方からサポート、並走してくれる人が増えて最後は5人でフィニッシュ。日付が変わり、午前0時過ぎのフェリーで九州へ。
10/12 90日目 42.6km
フェリー内で仮眠後、午前5時半に下船して走り出す。睡眠不足でなかなか進めず。クロネコの営業所で荷物を受け取り、1,300km走ってきたシューズを履き替える。クッションが全然違う。快適だ。平日にも関わらず友人たちが会いに来てくれた。国東半島の真ん中、両子寺にたどり着くも、拝観時間が終わっていた。翌日出直すことに。
10/13 91日目 66.4km
両子寺から再出発。国東峯道ロングトレイルをたどる。と言っても、全線約130kmを踏破するのは行程的に難しい。拝観時間が決まっているため、足止めを食らってしまうからだ。ショートカットして、文殊山、不動山などを反時計回りにめぐる。荒れたトレイルで道が不明瞭、踏まれた形跡も少ない、蜘蛛の巣だらけと進みづらい。短縮したにも関わらず、熊野磨崖仏の拝観時間に間に合わなかった。国東に完敗した2日間だった。
10/14 92日目 68.3km
鶴見、由布岳へ。別府と湯布院という二大温泉地をつなぐ縦走だ。由布岳の草原はいつ見ても美しい。見とれながらも足を進めて下山。本音を言うと、両方の温泉に浸かりたかったが、由布岳を下りてから30km離れたくじゅう連山にある法華院温泉山荘で1泊する予定だった。時間がないので、汗を流す時間もなく、三つ目の温泉へと向かった。
10/15 93日目 39.6km
山荘から出発。大分のランニングチーム「アグリーズ」の15人かわ応援に来てくれた。せっかくなので、一緒に大船山まで登って紅葉を楽しむ。別れた後に、北千里ヶ浜へ。異世界のような荒涼とした風景は見慣れていてもなお心が躍る。中岳や稲星山、久住山の頂上は風速15m超の風がっと吹き続け、停滞すると寒かった。竹田で仕事でもお世話になっている友永さん宅で一泊。
10/16 94日目 49.7km
祖母山はあっという間だった。九州の実力派ランナー・荒木くん、判田さんが並走。ふたりの走りにつられてペースが上がる。縦走路に連続するハシゴやロープを使う以外はペースが大きく落ちなかった。ここのところ、走っているというよりも、周囲に走らせてもらえている感覚だ。
10/17 95日目 41.8km
山深きこと限りなし。江戸時代に測量が行われなかったというのが九州脊梁山地だ。九州の真ん中を南北に走る分水嶺はとても山深い。踏み跡は薄く、不明瞭なところも少なくない。そして水の確保が難しい。九州の核心部であり、厳しい道のりになるはずだったが、友人で九州脊梁をくまなく走る陽子さんが並走、この山地の主である寺崎さんがサポートに入り、楽しい山行のまま終えられた。
今週のつぶやき
困った。何も書けない。
最終盤に来て、どうしたのだと思われる向きもあるかもしれないが、つぶやけないのだ。
いろんな感情が頭の中をグルグルしている。フィニッシュ間近の安堵感、一抹の寂しさ、残り数日も走り通せるのかという不安。感情がふわりと浮かび、時に混ざり合う。整理がつかない状態だ。
だから、困っている。この縦走中は困っていると、だいたい誰かの存在に助けられてきた。体が動かない時に限って、並走してくれる仲間が現れたり、弱気になりそうだと先輩が励ましの言葉をくれたり。
今回も助けてもらえないだろうかと思うものの、こればかりはどうしようもない。いやはや困っている。