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若岡拓也の日本列島大縦走
若岡拓也の日本列島大縦走 #2
PAAGO MAGAZINEでは、日本列島大縦走中の若岡拓也さんの走破記録を週ごとにレポしていきます。今週は札幌までやってきました!全国のランナー仲間やアウトドアショップ、地元の声援を受けながら、進んでいきます。みなさんもどこかで若岡さんに会ったら、ぜひ写真を撮ってパーゴワークスまで送ってください! どんどん紹介していきたいと思います。
日本列島大縦走の詳細については、こちらをご覧ください!
今週の記録
7/21 7日目 30.77km
翌日からの大雪山系縦走に備え、登山口近くの三股山荘へ移動。20kmほどの道のりで、ほぼ散歩だ。山荘とはいうものの、飲食店である。ここでカレーライスとビーフライス、アイスクリーム、カフェオレを平らげる。差し入れを持ってきた友人が支払ってくれた。でも信じてほしい。おごりだからといって、いっぱい食べたわけじゃないんだ!
7/22 8日目 31.04km
日本三大急登とされるシュナイダーコースから石狩岳へ。沼ノ原を経由して、トムラウシを目指した。ヒグマのものと思われる大きな糞があちこちに見られた。アクセスしづらいルートなため、同じように縦走する人は皆無。寂しいと感じるのか、景色を独り占めできたと感じるかで気持ちが大きく変わりそう。
7/23 9日目 32.86km
トムラウシに近い南沼キャンプ指定地から十勝岳温泉へ。ハイライトは美瑛岳、平ガ岳、十勝岳と草木のまったく生えない荒々しい山容。沼ノ原から五色岳にかけての草花が生い茂る景色とは好対照をなし、異世界を思わせる景色だった。写真を撮る回数が大きく増え、足がなかなか進まない。
7/24 10日目 55.43km
十勝岳温泉から下って、上富良野町、芦別市とロードでつなぐ。途中、テントと防寒着を郵便局留めで札幌に送る。むこう数日はテント泊をすることもないと見越してだ。道東よりも気温が高く、夜間でも過ごしやすい。青空ホテルでも十分眠れるし、なんとでもなる。ホテルといいつつ、露天で寝るだけだ。
7/25 11日目 46.16km
この日もロード。1週間近く洗濯できていなかったので、なんとか服を洗いたい。確実に洗濯すべく、近場の宿を事前予約。行程は46kmしかないが、大雪山系が楽しかった反動で、モチベーションが下がり、なかなか進まない。なんとか自分をなだめすかして進んでいった。
7/26 12日目 61.75km
午前6時から走り出して、すでに暑い。1時間ごとに休憩がないと、頭が沸騰しそうだ。最高気温は32℃。ぐったりしているところを、札幌在住の大草さんに発見されてしまう。
40kmにわたり並走していただき、なんとか走り続けることができた。1人だったら途方に暮れるところであった。
7/27 13日目 休足日
4kgほど減った体重を戻したり、暑さに体を慣らしたり、いったん体勢を立て直すべく思い切って休養。体重を測ってびっくりしたが、12日間で4kgとダイエットとしては抜群の効果である。前日から泊めていただいているトレイルハットの佐藤さん宅で英気を養う。
今週のつぶやき
ドラマチック大雪山系
日本列島がくまなく暑い。北海道も例外ではなく、ちょっと異常な暑さです。最高気温20℃前後に慣れてしまったせいで、無慈悲なる温度上昇に打ちのめされました。
26日には最高気温が32℃で、炎天下を走ると頭はクラクラ。肌感覚が変わっているため、体感としては40℃近い気温か。意識は朦朧としていました。
顔ハメ看板を見つけると元気になります。
どうせクラクラするなら、大雪山系を縦走した時のように絶景に酔いしれたいものです。絶景が連なるドラマチックな縦走路でした。
石狩岳から上富良野岳へとつなげたルートは、急登に始まり、稜線歩きからササヤブのカーテンが幕間に。再び視界が開けると、花々が咲き乱れ、鳥はさえずり、蝶がひらひらと舞う楽園。演出が心憎い。
後半に入ると、溶岩石の転がる荒々しい岩場であったり、草木の生えない砂漠のような風景が広がります。展開の目まぐるしく変わる映画のように、刻一刻と変わる風景から目が離せません。なんとも劇的なルートです。
景色の美しさから選んだ縦走路ではなく、地図上でラインを引いた時にキレイだという理由で選定したことを白状します。気まぐれで選んだルートが全て最高だったというのも、なんだか偶然から始まる恋的な、ドラマ仕立てかも。そんなふうに都合よく解釈しました。
ラブストーリーは何もありませんが、少々スリリングでした。水場が少ないためです。野営地で聞いた話だと、今年は雪渓が溶けるスピードが早く、水場が例年よりも枯れている可能性があるとのこと。
僕と逆方向から縦走してきたハイカーはおらず、真偽は確かめられませんでした。確認できないまま、水を多めに積んで、進み続けることに。先が読めないから、どう対処しようかと考えるのが楽しいです。
手持ちの水を節約するために、無数のオタマジャクシが泳ぐ沼に立ち寄りました。ぬるい水をすくい、浄水器を使って飲みます。目の前にはおびただしい数のオタマジャクシ。わざわざ眺めなくてもいいものを、なぜ眺めていたのでしょう。このぬるさはオタマたちの体温なのか?と喉に感じたこともいい思い出です。
思い出に浸ったところで、そろそろ現実にカエル時間です。今週末から来週はじめで北海道も大詰め。羊蹄山、ニセコアンヌプリを経て、函館にいってきます!