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PAAGO Navi & Camp 第0.5回開催レポート
はじまりは突然に
2021年春頃
ボス(社長) 「ゆりちゃん、パーゴも10年経ったし、ファンイベントやりたいんだけど、企画してくれる?200人くらい集めてさ!」
ユーリ 「でたーーーーー!ボスのムチャぶり!」
さて今回の記事を書くのはパーゴのPRユーリです。Navi & Campというファンイベントの実行委員長を担当しました。学級委員や部長とかリーダー業から逃げてきた私。実行委員などもっての外。そんな私がどうやってNavi & Campを企画し、Navi & Campとはいったいどんなイベントなのか、裏話も含めて紹介していきます!
パーゴにとって、ファンイベントを開催するのは、悲願であり挑戦でした。というのも、プロダクトを作るのは得意でも、イベント作りはやったことがないからです。「パーゴファンは、どんな事に喜んでくれるだろう?」と考えた結果、ただのキャンプイベントではなく、パーゴユーザーが同じアクティビティを通して交流できるイベントをしようと考えました。といってもユーザーの主戦場は多岐に渡ります。トレイルランナーもいれば、ハイカーもいれば、キャンパーもいます。例えるなら陸上部と登山部と帰宅部が放課後に一緒に遊ぶようなものです。これはハードル高いぞ!
アウトドア力を競う4つのゲーム
ロゲイニング
制限時間内で回ったCPの合計得点を競うロゲイニング形式のゲーム。
オリエンテーリング
制限時間内で回ったCPの合計得点を競うオリエンテーリング形式のゲーム。
パックアンドゴー
一晩分のキャンプ道具を「素早く、綺麗に」パッキングする時間を競うゲーム。
チャッカアンドゴー
火起こしの技と時間を競うゲーム。
Paago Navi & Camp 0.5回は、ナビゲーションスポーツとキャンプを通じてアウトドアの楽しさを体感できるパーゴワークスのファンイベントです。(なぜ0.5回なのかというと、5月にプレイベントとして0回を開催しています。)2人1組のチームで参加し、4つの種目(ロゲイニング、オリエンテーリング、パッキング、クッキング)でアウトドア力を競い合いながら交流を深めます。パーゴユーザーの「外で遊ぶのが好き」という共通項を軸に、ナビゲーションゲームを取り入れたイベントになりました。アウトドアで遊ぶ上で、人工物の少ないフィールドで自分の現在地を正確に知る行為は必要不可欠だからです。
集まったのは、招待もしくは紹介で集まった26組52名。グレートレースでお馴染みの有名選手から、アウトドアライター、オリエンテーリング日本代表、トレランショップ店長まで、まさに異種格闘技戦になりました。どんなバックグラウンドをもつ人でも楽しめるよう、4つの競技は、それぞれに100点ずつ配点。
ここまでの基本ルールは参加者に事前に通知済みです。しかしこのイベントには不文律が多く存在します。例えばオリエンテーリング中に突然放たれる人間移動CPや、ボスが気まぐれで発行する社長ポイントまであります! そう、ここまで聞いてお分かりになったでしょう。このレースに公平性はありません!どんなに足が速くても、地図が読めなければ勝てません。どんなに地図が読めても、火を起こせなければ勝てません。そして全てがバランスよくできても、移動ポイントを見つけなければ満点を取れません!普段勝負の世界で生きているアスリートも、勝負とは無縁の己のアウトドアフィールドで遊ぶキャンパーにも活躍の場があります。
そもそもナビゲーションゲームとは?
地図とコンパスを使って、各所に設定されたCP(チェックポイント)を見つけ、その合計得点やタイムを競うアウトドアスポーツ。1/10000の地図で比較的狭い山野のエリアで遊ぶオリエンテーリングや、市街地で観光名所をCPとするような街ロゲイニング、野営装備をすべて携帯するOMMレースなどその種類は多岐に渡ります。このイベントはオリエンテーリングサークルの「トータス」の協力で、ナビゲーションの競技組み立てや地図作成を行いました。
Round 1 ロゲイニング 〜波乱の幕開け〜
ボス 「ゆりちゃん、このチームが面白いから特別にポイントあげてもいい?」
ユーリ 「社長ポイントは1日3回まででお願いしますね。(真顔)」
1日目は、1/25000の地図を使ったフォトロゲイニングから始まります。さてこのフォトロゲイニングは、CPの通過証明をNavi Tabiというスマホアプリで撮影しながら得点を重ねます。前回のプレイベントでは、「社長ポイント」が多く発生したことから、今回は大喜利大会の様相を呈していきます。Navi Tabiに送られてきた写真からいくつかご紹介しましょう。
チタムリチーム(中村夫妻) 各CPを酔っ払い風?で撮影して回ります。山頂は他の登山者に撮影してもらったのでしょうか。気になります。
マジ♡いとこチーム( 山岸/福島)のシンガーソングライターとして活躍する福島さんは、ギターケースに装備を詰めて参戦。社長ポイントゲット!
チームスノコとサダコ(友近/森野)ポイント全てで落ち武者の生首のような写真をアップし、採点側に恐怖を植えつけました。一貫したコンセプトで見事に社長ポイントをゲット!
ゴールもそれぞれのスタイルです。
Trailrunner & Surferチーム(下家/島崎) 奥武蔵100で優勝しグレートレースで一躍有名になった下家悟選手。初ロゲイニングに苦戦するも彼女のゆかさんと完璧なペアルックで笑顔でゴール!
ゴールで感極まって泣き出すチームも。横浜OLクラブチーム(田邉/村上)は、「荷物背負って地図読みなんてこりごり、もっと俺はポイント獲れたんだよ!」
Round 2 チャッカアンドゴー 〜次なる戦いへ〜
ボス 「ゆりちゃん、走れる人が勝つのはつまらないから、キャンパーが絶対勝つレースをプログラムに追加して」
ユーリ 「絶対勝つ、、それなら焚き火でしょう!」
2つ目の競技は、チャッカアンドゴーという火起こしの技と時間を競うゲームです。このイベントの裏テーマは「学び」。全ての競技前に「達人」による簡単なデモンストレーションがあります。焚火達人の桜井がファイヤースターターを使って一回で着火に成功すると、会場からは驚きの声が!
焚き火台にファイヤースターターで火をつけ、水を沸かします。「スタート!」の合図と共に白熱する焚き火会場。
お湯が湧いたチームは手を挙げてアピール!審判は、全日本焚火湯沸協会会長(架空)のボブさんがタニタの水温計での厳正なジャッジを下していきます。
一抜けしたのは、男前キャンプのキングことスノコさんのチーム。2位を大きく引き離し、堂々の1位! 余裕の表情です。
トリッパーズオリエンテーリング部(樋田/河内)はトレランショップ店員の2人組。最初は苦戦したものの、薪を組み直してしっかり着火。まったく火がつかず苦戦するチームや、周りのチームが協力して遅いチームを助ける光景も。火がつかないとご飯食べられないからね!
焚き火タイム&トークセッション
チャッカアンドゴーで火を起こし、お湯を沸かした流れでそのまま食事タイムに入ります。自分で起こした火で作る料理はひときわ美味しく感じます!
今回はA-sukeさんにお酒と自家製の燻製のつまみを提供するBARを開設してもらいました!A-sukeさんは水道橋でアウトドアをコンセプトにしたCafe & bar BASE CAMPのマスターです。
暗くなったところで、トークショーをスタート。パーゴワークスのチームについて、来年発売のプロダクトの紹介、アンバサダーとのものづくりについてなどをお話しました。こちらは台本なしの出たとこ勝負。ボスは、まだ情報解禁前のプロダクトを見せたり、突然ゲストをステージに呼んだりと独走状態。タイムキーパーは、、ずっとヒヤヒヤしておりました(笑)。
突撃!隣のキャンプサイト
Navi & Campの朝は早いのです。プログラムにないラジオ体操で起こされます。MCスケは朝からノリノリです。
そのままの流れで、参加者のキャンプサイトを抜き打ちで回る「突撃!隣のキャンプサイト」がはじまりました!前回のプレイベントで好評だったため、今回もギアオタクの桜井が独特の価値観で参加者のキャンプサイトを物色していきます。元ショップスタッフの知識を生かし、参加者の装備を勝手にチェックしていきます。
チームドアーズ(戸塚夫婦)は前回のプレイベントにも参加。今回は撤収の速さを考慮してファイントラックのツェルトをわざわざ購入。各チームこの日のために「傾向と対策」を勉強しているのが印象的です。
ギアオタク桜井の琴線に触れたのは、ミニマルブラザーズチーム(宮西/大竹)の装備。ひときわザックが小さく、逆に何を持ってきたのか気になります。
スッケスケのタープは顔を覆うだけ、寝具はSOLのエマージェンシーブランケットで自作したシュラフという、変態的な装備で参戦。軽量化のポイントは、「当日までに体力と忍耐力を高めること」。
地図読み講習
1日目は競技前に2つのレクチャーを挟みます。まずはオリエンテーリングの達人、結城さん(4度の日本選手権優勝と3度の日本代表を経験)による地図読み講習。参加者のオリエンティアも講師役になって、一緒に森の中のCPを回りました。
パッキング講習
2つ目のレクチャーは、荷造りの達人によるパッキング講習です。荷造りの達人はもちろん、ボスにお願いしました!長年バックパックデザイナーしてきたボスが、デザイナー目線で2種類のザックへのパッキング方法や、重心を体に近づけるためのTipsをレクチャーします。
パッキングの大切さを分かってもらったところで、2日目のレースが始まります!
Round 3 パックアンドゴー 〜正義なき奇襲〜
ボス「パッキングゲームなんだけどさ、"ルマン式スタート
"でやってみたいな。しかも当日にルール発表するのって面白くない?」
ユーリ「ルマン式ってなんですか?(困惑)」
2日目の競技2種は、「ルマン式スタート」を採用。つまり参加者は一旦キャンプ地から締め出され、自分の装備を触れない状態に。「よーいどん」の合図で一斉にキャンプサイトへ入って荷物をパッキングしたのち、そのままオリエンテーリングがスタートします。つまり荷物を速く詰めないとオリエンテーリングの時間が短くなり不利に。とはいえ、めちゃくちゃに詰めると競技中の3時間が辛くなります。
一斉にキャンプサイトの撤収を始める参加者たち。早朝に少しでも荷物の整理をしていたチームにアドバンテージがあります。山の経験が豊富なハイカーに有利でしょうか。
ところが一番早かったのは、ミニマルブラザーズ!。圧倒的な装備の少なさが勝敗を決めました。軽いは正義!
ふきのとうチーム(小畑/久能)は、アドベンチャーレースを主戦場に活躍する師弟関係の2人。参加者最年少の久能さんはハタチになったばかり、年の差30才コンビ!
Round 4 オリエンテーリング 〜放たれた刺客〜
ボス「ただのオリエンテーリングじゃつまらないから、勝手に移動する人間移動ポイントを設置しよう!」
ユーリ「、、、、OK!」
パッキングの無事に終わったチームはそのまま森の中に散って行きます。
ナビキャンのユニークなルールの一つが、「移動ポイント」です。オリエンテーリングの競技中に、森の中に人間移動CPが放たれます。移動ポイントを捕まえると、プラス40点!結構大きな配点なので、捕まえるかどうかは優勝に関わってきます。今回は4人投入し、しっかり逃げて参加者を惑わせました。
制限時間が近づくと、ゴールを目指して続々と参加者が帰ってきます。時間が過ぎると大幅な減点に!
即席チーム(稲毛/若岡)は、オリエンテーリング界で今一番強い女子・稲毛さんと、先日フィンランドのステージレースで優勝したばかりの若岡さんは即席ペア。ソロ参加の場合は、実行委員が独断と偏見で勝手にバディとマッチングします。2人はさすがのナビゲーションと走力で、バシバシ点を稼いできました!
てんてこまいチーム(小林/永松)は、サンドイッチスタイルでゴール。なんと今回は同日開催のトレランレースをキャンセルしてイベントに参加してくれました!
表彰式 〜勝者の一騎打ち〜
全ての競技が終わり、得点が出揃ったところで、表彰式です。今回は同点1位が2組!(え!?景品1組分しか用意してないけどどうする⁉️ 運営側は裏でてんやわんや。)
ということで、最終的なWinnerは手押し相撲で決めることになりました。本当に最後まで勝敗はわかりません!
厳正なる手押し相撲の結果、暴力的な軽量化と自慢のナビ力で粘り強さを見せたミニマルブラザーズが優勝!優勝賞品のラッシュ30(SPモデル)を勝ち取りました。ちゃんと使ってくれるかな?
最後に「ナビキャン」とはどんなイベントなのか。
アウトドア好きなら、どんなバックグラウンドでも楽しめるパーゴのファンイベントです。走っても走らなくても、地図が読めなくても、焚き火をしたことなくても、優しい「達人」がしっかり教えてくれて、得意な分野で活躍できます。いつもはトレランレースで分刻みで戦っているランナーも、アルプスをゆるく歩くのが好きなハイカーも、焚き火でしっぽりするのが好きなキャンパーも、年に一度のこのお祭りで、新たな楽しみを見つけてくれたら嬉しいです。とにかく色んな楽しみ方があるので、パーゴ好きな人にぜひ参加してほしいです!
ボス「みなさーん!今回は楽しんで頂けましたか?次回は5月に第1回大会をしまーす!」
ユーリ(ちょっとまったー!まだ会場押さえてないよー!汗)
先走ってアナウンスしちゃいましたが、来年の5月に第1回大会を予定しています。その時は一般募集も受けようかと思っています。ふぅ〜〜またミーティングしなくっちゃ!