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第1回PAAGO Navi&Camp開催レポート
パーゴのナビキャン
2023年5月、八ヶ岳の麓を舞台に第1回Navi&Campを開催しました。
Navi&Camp(ナビキャン)は2人1組でナビゲーションスポーツとキャンプを通じてアウトドアの楽しさを体感できるパーゴワークスのファンイベントです。
4つの競技(ラウンド)から構成されていて、各競技の開始前に講習会を実施するので、初めて触れる遊びでも戸惑うことなく参加いただけます。
アウトドア力を競う4つのゲーム
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ロゲイニング
制限時間内で回ったCPの合計得点を競うロゲイニング形式のゲーム。
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チャッカアンドゴー
火起こしの技と時間を競うゲーム。
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パックアンドゴー
一晩分のキャンプ道具を「素早く、綺麗に」パッキングする時間を競うゲーム。
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オリエンテーリング
制限時間内で回ったCPの合計得点を競うオリエンテーリング形式のゲーム。
僕とナビキャン
今回のレポートを書くのは、クノールこと久能岳士です。パーゴワークスでアルバイトとして働いている大学2年生です。
僕は高校時代、山岳部とアドベンチャーレースに青春をささげていました。海から山まで、夏から冬までと、幅広い遊び方に魅力を感じ、「アウトドア全部やりてぇ」と常々思っていました。
そんなとき、アドベンチャーレースの先輩に誘われナビキャンのプレイベントに参加しました。そこで僕の人生を変えた言葉に出会いました。パーゴワークスのブランドコンセプト、「アウトドア自由主義」です。ランナーとか、ハイカーとか、アドベンチャーレースとか、アウトドアにおけるありとあらゆる分類を一蹴する、壁を作らないスタイルに憧れていた自分にとって、その言葉はとてもしっくりくるものでした。イベント後すぐにコンタクトをとり、2度の面談を経て今ではスタッフとして週5日、働いています。

戸惑いの準備
準備にはかなりの時間を要しました。特に記憶に残っているのは、「試走」です。ナビキャン2週間前に「最終試走」を行いました。試走というのは、イベント当日に使用するエリアの既存のマップに示された予定しているポイント、地形、植生などが実際のそれと合っているか、エリア範囲やコースが無理なく楽しめるかを、実際のルートをまわって確認する作業です。
競技用の地図を作成したのは、トータスというオリエンテーリングクラブです。八ヶ岳南麓を主なフィールドに活動し、日本代表が所属するなど、オリエンテーリング界の精鋭が集まるサークルです。トータスの粂さんは、所属する猛者たちを取りまとめている故にパーゴでは「女王」と呼び、親しまれています。試走では主に女王の指示を受けて動くことになります。
女王「クノール、等高線とか地図間違ってたら教えてね〜」
僕「承知...」(等高線が間違っている...?)
衝撃です。動揺のあまり「しました」が抜けてしまいました。地図は正しいという前提の上で生きてきた僕は地図を疑って走ったことなどありません。
正確に地形と現在地を把握しつつ、少しの違和感でもその正体を地図の文脈から読み解く。さながら現代文のテスト問題を解いている気分でした。ナビゲーションスポーツが好きなので、地図読みは得意ですが、まさか地図作りの現場に放り込まれるとは思いませんでした。
僕は最終試走に一回行っただけですが、トータスの地図作成チームは何度も現地に足を運び、合宿も行っています。トータスの協力なしには、このイベントは成り立ちませんでした。




再会の前夜
スタッフはイベント前日に現地入りしました。パーゴとトータスのスタッフ全員が揃ったところで、最終確認をしました。僕はスタッフみんなに、挨拶がわりに「チャラくなってる」と金髪をイジられました。
そして開会式
パーゴスタッフのスケサンはMC担当です。何かに取り憑かれたような謎ハイテンションがウリです。(100kmを1週間前に完走してきたとは思えないエネルギー量でした)加えてアウトドアモデルの山下晃和さん、トレイルランナーの杉崎夕子さんを迎え、最強の布陣を敷いたMCの合図でイベントは始まります。


ロゲイニング 〜大人の宝探し〜
富士見高原を舞台にいよいよ最初の競技が始まります。ラウンド1はロゲイニング、地図とコンパスを頼りに地図上に示されたポイントを獲得するナビゲーションスポーツです。今回はポイントに到着したら写真を撮るフォトロゲイニング形式を採用しました。
スタート直後からゲレンデを駆け上るチーム、冷静に作戦会議を始めるチーム、富士見町の街にあるオシャレなカフェを目指すチームとそれぞれバラバラの方向にスタートしていきます。




この競技には「ビール券」というものが存在します。メイン会場に出店しているバー、BASE CAMPでドリンクと無料で交換できる券です。ただし、どこのチェックポイントに隠されているのかはわかりません。それを見つけることができたチームは非常にラッキーですが、今回は1チームだけが見つけることができました。しかも2枚。なんという豪運でしょう。

チームによってゴールシーンも様々です。余裕綽々、全力ダッシュ、大遅刻と個性が出ました。ゴール後は美味しいビールを飲みながらお互いのルートを聞き合ったり、近くの温泉で疲れを癒したりゆったりと時間を過ごしていました。




社長ポイント
社長ポイントとは、社長の気まぐれ、偏見、独断により付与されるポイントです。
今回獲得した個性あふれる3チームを紹介します。
1/No.15 ハムちゃんズ(2ポイント)
ロゲイニングのコースクローズに50分遅刻-2000点をくらうも、最後まで諦めず、富士見高原を堪能し尽くしてくれました。

2/No.7 井川王国民(2ポイント)
可愛い。以上。シンプルかつ最強の笑顔で社長ポイントを獲得しました。

3/No.5 すのことサダコ(10ポイント)
走る気ゼロ、いいんです。楽しければ。そう言わんばかりの仮装と看板の仕込みです。


チャッカアンドゴー 〜熱闘と熱湯〜
火をつけて湯を沸かす。野営のキホンでありながら奥が深い「焚き火」を競技化したものです。桜井とA-sukeさんはその分野にかけてはプロと言って相違ありません。講習ではメタルマッチ一撃で着火に成功。歓声が上がりました。
圧倒的肺活量で押し切るチーム、クレバーに空気の通り道を調節するチーム、火の粉も上がらないチーム、皆それぞれアツい展開を繰り広げました。(火傷に気をつけて!)


お湯が沸騰したら手を上げてアピール、審査員が温度計で計測に向かいます。


トークショー&パーティー
夜はトークショーとパーティータイムです。R-2で作った火を囲み、思い思いに食事や交流を楽しみながら日も暮れてきた頃、トークショーがスタートしました。トピックはやはり開発について。今年発売したばかりのRUSHシリーズのために作った気の遠くなるような数のサンプルや、新しく開発している商品の試作品が登場し、普段見ることのない開発の裏側に触れてもらいました。


2日目の朝
ナビキャン2日目はラジオ体操から始まります。MCスケサンの、ラジオ体操には想定されていない動きに定評があります。
続いては「突撃!隣のキャンプサイト」ギアへの愛にかけて桜井プロの右に出るものはいません。圧倒的な知識量で参加者のギアを解説していきます。


ラウンド3はパッキング技術を競うもの。 野営装備を携行するシーンではパッキングは高いパフォーマンスを維持する上で最も重要な要素のひとつ。社長によるパッキング講習では、積み込む荷物のたたみ方、順番、パックによる違いなどパッキングにおける基本からTIPSまで丁寧な解説が展開されました。
ラウンド3から4は連続して競技が行われます。そのため、このラウンド3をスピーディーかつ丁寧にこなすこと、テントの中を整理しておくことが後の競技への重要なキーとなります。


オリエンテーリング 〜地図にないポイント〜
パッキングを終えた参加者は次々に森の中へ。オリエンテーリングとはラウンド1と同様、地図とコンパスを頼りにポイントを獲得するゲームです。そしてここでも特別ルール、「移動ポイント」が存在します。移動ポイントとは、人間がチェックポイントとなり、マップエリア内を自由に動き回るポイントです。当然地図には示されないポイントなので獲得できるかどうかは完全に運次第です。


僕はマップ北側の移動ポイントの担当でした。 偶然目が合った刹那、「待て!」と満面の笑みで追ってくるチーム、カメラを抱えて逆方向に逃げる僕、捕まえたはいいが危うくロストしかけるチーム。そんなことを繰り返しながら最後のゲームは終わりを迎えます。




表彰、そして閉会。
全競技が終了。得点が出揃ったところで表彰式をしました。Navi&Camp第1回を制したのは、トレイルランやバックカントリーなど多岐にわたってアウトドアを楽しむまさにオールラウンダー、TEN’n’OJIチームです。
1st TEN’n’OJI 全競技でバランスよく上位につけ優勝。
2nd 緑の小屋 OMMでも活躍する期待のうら若き女子デュオ。
3rd すのことサダコ ネタに全振りのハズが上位に。
キャラクターの異なるチームが表彰台で揃う。ナビキャンならではの光景。
あとがき
ナビキャンのテーマのひとつは「出会い」です。
普段交流のない人やパーゴワークスについて知る絶好のチャンスです。今回僕はスタッフとして動く中でEXTERRAという競技やオリエンティアの聖書「サルオリ」について初めて聞くことができました。
このようにナビキャンをきっかけに「アウトドア好き」という共通点を持っているだけで、知らない競技について知れたり、実際にやってみたりすることで、みなさんの世界が広がることもあると思います。
それは僕たちパーゴワークスにとっても同じことで、回数を重ねるごとに色々な人に参加してもらい、出会いも重ねていきたいと思っています。
2回、3回と続いていくこのイベントの記念すべき第1回に参加してくださった皆さんに御礼申し上げるとともに『アウトドア自由主義』のもと、皆さんの世界をより自由に、より広くできるようなイベントを作り上げていきたいと思います。
