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第2回 PAAGO Navi & Camp
2024.06.24 EVENT

第2回 PAAGO Navi & Camp

まえがき

「本気で学んで、本気で遊ぶ2日間」

こんなスローガンをキャッチコピーにしたパーゴのファンイベント、第2回PAAGO Navi & Campを6月1日(土)〜2日(日)に開催しました。プレイベントも含めると、これまで3度開催してきたナビキャンですが、今年は競技時間を減らして、その分「学び」の時間を増やして初心者でも参加しやすいように工夫しました。

PAAGO Navi & Campとは?

PAAGO Navi & Campは、ナビゲーションスポーツとキャンプを通じてアウトドアの楽しさを体感できるパーゴワークスのファンイベント。2人1組のチームで参加し、ナビゲーションスキルを測るゲーム2種類(ロゲイニングとオリエンテーリング)とキャンプスキルを測るゲーム2種類(パッキングと焚き火)の両方で、アウトドア力を競い合います。

<ロゲイニング>2万5000分の1の地図を用いて、制限時間内に回ったCPの総得点を競う競技。ナビキャンでは指定されたポイント(史跡・建造物など)で写真を撮る”フォトロゲイニング”形式で実施。

<チャッカアンドゴー>火おこしの技と時間を競うゲーム。ファイヤスターターを用いて火を起こし、トレイルポットに入った水を沸騰させる。全員の条件を揃えるため、機材は貸し出し。

<パックアンドゴー>一晩分のキャンプ道具を「素早く、綺麗に」パッキングする時間を競うゲーム。持ってくる装備がポイントになるので、会場に来る前から競技は始まっている!?

<オリエンテーリング>競技で使われる1万分の1の地図を用いて、制限時間内に回ったCPの得点を競うゲーム。SIという専用のチップを用いて計測する。ナビキャンでは回る順番は自由。

「台風1号が発生しました」

3月から募集を開始して、1ヶ月経たずに定員(50組100人)に達した今回のナビキャン。初めての100人!と大喜びするも、同時に不安が込み上げてきた。地図読み競技を監修してもらうオリエンテーリングクラブ・トータスとの打ち合わせや現地調査を行い、前回の規模から2倍以上になるため備品や会場設備の確認など、あらゆる準備に追われていた。

そんな開催1週間前のある日、ニュースが台風1号の発生を報じた。直撃はせずとも段々と近づいてくる台風。実行委員長のユリが「気になり過ぎて眠れない」と頭を抱えていた。前日には温帯低気圧に変わったものの、雨の予報が残ったまま、イベントを迎えることとなった。前日にはスタッフ全員が会場入りして決起集会。2日間がんばりましょう!

ようこそ ナビキャン2024へ! 

ナビキャン当日。前日の雨予報はどこへやら、なんと青空も見える!
晴れて嬉しい〜と思っている時間も間も無く、会場設営。そうしている間にも続々と参加者が来場してきた。こういうイベントが始まる瞬間ってワクワクしますよね。私だけ?

MCを務めるのはこちらの名コンビ、杉崎夕子さん&山下晃和さん! 今年もよろしくお願いします!

豪華講師陣による地図読み講習

講師の1人、山岸夏希さん(左から2人目)はオリエンテーリング日本代表経験者。

今年のナビキャンは「学び」がテーマ。全ての競技の前に、達人たちによるデモンストレーション、講習の時間を設けました。初日は受付の後に、地図読み経験に合わせてレクチャーと練習コースをご用意。パーゴのアンバサダーやオリエンティア集団・トータスのメンバーが講師を務めます。トータスはオリエンテーリングの元・現日本代表選手が多数所属する達人たち。地図を肴に酒が飲めるほどの方々です(知らんけど)。

佐野萌子先生(写真真ん中)も学生時代に日本代表を経験。ひー、レベルが高い

講習を終えて戻ってくる参加者たち。自信はついたかな?

競技1 フォトロゲイニング

開会式と記念撮影を終え、いよいよ第1競技フォトロゲイニングがスタート! 地図を配るとどのルートを行こうかとみんな真剣。制限時間は3時間。1分遅れるごとにマイナス100点のペナルティ付きなので、時間内に戻ってきてくださいね〜!

参加者の皆さんがどんな写真を撮っていたのか、ちょっとだけお見せします。

オリジナルマスクをつけて忍者のコスプレ。イイね!

なんというパワープレイ・・・!全CPでプロレス技を繰り出してました。

カオナシ!! 道具は全て手作りだそうです。この3チームは「社長ブースト」として順位を5つ繰り上げました。

他にもこんな写真が・・・

せっかくならお地蔵さんになりきって

見事に真っ直ぐ刺さってます

エリア内の4ヶ所に設けられたフリービール券をゲット!

そしてフィニッシュへ。最後に帰ってきたチーム「まだまだがんばる〜」の北原・伊達ペアは432点を獲得するも制限時間に19分遅れたため、-1418点を叩き出した。競技ごとの順位を合計して競うので、これだけマイナスがあっても挽回のチャンスはあります。

充実のPOP UPショップ

最初の競技が終わると、会場内には4つのブースがオープン。美味しいお酒&おつまみから欲しかったあのキャンプグッズまでいろいろ買えます。

<BaseCamp>水道橋にあるカフェ・バーのBaseCamp。店主のA-Sukeさんによる燻製おつまみが毎年大人気です。

<Trippers>東京・立川にあるトレイルランニング専門店。よっしーとくまちゃんがお店番。オリジナルグッズも販売!

<MIYAGEN Trail Engineering>PCT4200kmを歩いたミヤッチが手がけるアウトドアブランド。2gで爆音が鳴るホイッスルが人気。

<LEISURES>パーゴ卒業生の桜井さんが今年4月に長野・安曇野にオープンしたアウトドアギア専門店。

ギアを手に取ると止まらない「いいですね〜」

ロゲイニングが終わった後はお風呂に入るなどフリータイム。その間にも参加者にはいろんな学びを提供しようと、2つのコンテンツをご用意。1つ目は「突撃!隣のキャンプサイト」。ギアオタクの桜井さんがテント場に行って、気になるテントやギアをとにかく根掘り葉掘り聞きます。

「このテントは珍しくて〜」「このマットいいんですよ」「軽量化がすばらしいですね」
手に取るだけで商品名とそのスペックがスラスラ出てくる。参加者たちはその知識量に若干引きながらも、「お〜!」と楽しんでいた。

さっきのカオナシは寝床と兼用・・・!?

トップオリエンティアならこう走る!

2つ目のコンテンツはトップオリエンティアによる地図読み講習。トータス代表の国沢さん、そして山岸さんが講師を務めます。フォトロゲイニングの結果がトップだったチーム「楽しく走ろう会」の大畑さん・福島さんをお呼びした。2人はOMM JAPAN*のスコアロングで5連覇を果たしている超エリートチームだ。実際に走ったルートを地図に書いてもらうと、「どうしてこのルートを選んだんですか?」と山岸さんから質問攻めに。参加者にとってもためになるコースの選び方は、トップの2人にとっても勉強になったよう。

競技2 チャッカアンドゴー

第2競技はチャッカアンドゴー。初めて焚き火をする人でも安心して参加できるように、焚き火台の組み立てから、ファイヤースターターの使い方までしっかりレクチャー。しかし、みんな火を目の前にすると話を聞いてくれない(笑)。とにかく競技スタート。3、2、1、チャッカアンドゴー! みんな目の色を変えて本気でやっています。

一度に30基の焚き火が点くと、あちこちから煙が立って目が痛かった・・・(泣)

突如始まる料理コンテスト

お湯が沸いたチームからトレイルポットを使って夕食作り。回っていると、各チームが趣向を凝らしたご飯を作っていた。ということで、急遽、A-Sukeさんによる料理コンテストがスタート!

オムライスにすき焼き、食べ盛りの学生が喜びそうな詰め込みソーセージなどなど、どれも美味しそうなものばかり。スタッフの私も撮影しながらとってもお腹ペコペコに!
料理コンテストの優勝はビーフシチューを作ったチーム「Bチーム」。生野菜やバゲットを背負ってロゲイニングをしていたなんて! そんな2人にはA-Suke賞として順位を10位分ランクアップ! どんな競技にもブーストがかかるチャンスがあります。

そんな焚き火や料理をしている間に陽が落ちて、雨も降り始めました。

雨の中のクイズ&トークショー

進行役のMC山下&社長でトークショーが開始。中央のキャンプファイヤーを囲みながら、パーゴワークスやそのアンバサダーにまつわるクイズを出題。正解するとなんと順位が5つも上がる! 

昨年、日本列島大縦走という北海道から鹿児島まで100日かけて5000km走った若岡さんも登壇。

BaseCampのバーは大盛況。明日もあるんだから飲み過ぎ注意!

トークショーの途中から雨が本降りとなり、予定よりも内容を短縮しながら1日目のプログラムは終了。もっと参加いただいた皆さんと話したかった・・・。天気予報を見ると今日はこのまま降り続け、明日の昼からはさらに雨が強くなるとのこと。パーゴとトータスの中心メンバーが集まり、今後の競技進行について話し合った。アウトドアイベントだから、天候に左右されるのは仕方がない。ただし、初心者もたくさんいることを考慮すると、まずは参加者の安全が最優先だと考えた。

「縮小開催にします」

そうした議論の中から出たのは、「縮小開催」という結論だった。予定していた午前中のプログラムを中止し、競技4のオリエンテーリングのみ実施として、夜遅くに全参加者にメールでその旨を通知した。

競技4 オリエンテーリング

翌朝、参加者がみんな集まったところで改めて縮小開催になった経緯の説明と、今日の競技について説明。お昼から大雨の予報だったので、やるのはオリエンテーリング2時間のみ。とってもシンプルな競技になりました。

集合までの間、自発的にマイム・マイムが始まりました

講習時間を作るとそれだけ大雨の時間が近づくため、希望者はオリエンティアと一緒に前半を回れる仕組みにしました。

その場で自分の地図読みが合っているか確認できると好評だった

社長も自ら講師役を買って出た

逃げすぎる移動ポイント

一足先に逃げ始める近藤さん。見つけられるかな?

ナビキャンのオリエンテーリングは、毎年人間がCPを務める「移動ポイント」が出現する。地図には存在せず、見つけられると高得点が手に入ると毎年好評なのだ。今年担当するのはなんと、トレイルランナーの下家悟さんと近藤展弘さん(テンさん)。2人とも4月に160kmのレースを完走する走力の持ち主。史上最も走れる移動ポイントが爆誕した。

スタートして30分。本部に1本の電話がかかってきた。

「下家さんのスマホを拾ったのですが・・・。声をかけたらそのまま逃げて行っちゃって」

すぐさまスタッフが受け取りに行き、そのチームには競技を続けてもらうことに。お礼として150ポイントを差し上げました。もう、なにやってるの!?!?

みんな無事に帰ってきました! 移動ポイントの下家さんもおかえりなさい!

土砂降りの中、最終チームがフィニッシュ!

雨の中の表彰式

最後の集合写真。(地面が濡れていても横になる人はいる)

そんなこんなで土砂降りの中、参加者が全員ゴールしたところで、結果を集計して表彰式へ。ブーステントに100人がぎっちり詰まって雨宿り。それはそれでシュールだった。

3位 ケロちゃんず(小林・水上ペア)

スタート前には講師も務めてくれたオリエンティアの2人。フォトロゲ7位、チャッカアンドゴー10位、そしてオリエンテーリングで2位と好成績を残し、3位に入った。賞品はBUDDY 16 SP。

2位 Team Pathloss(池田・汐月ペア)

チャッカアンドゴーで5分57秒という唯一の6分未満の成績を残す。フォトロゲ5位、オリエンテーリング3位。賞品はNINJA TENT。「パーゴ大好きです!」とコメントをくれた。

1位 ウラヤマトレイル(中井・森本ペア)

フォトロゲのフィニッシュ後に倒れ込んだ姿が印象的。フォトロゲ2位、チャッカアンドゴー3位、オリエンテーリング1位と唯一全種目で3位以内とオールラウンドな強さを見せた。賞品はなんと、今秋発売予定のTRAILPOT S900を誰よりも早く手に入れました。

あとがき

第2回 PAAGO Navi&Campが大きな怪我人などもなく終了しました。パーゴ・トータス・ボランティアの計30人でこれまでに経験したことのない120人の大所帯を管理するのは大変でした。雨天による突然のプログラム変更等も発生し、参加者の皆さんにはご不便をおかけしたところもあると思います。けれど、参加者の皆さんも自分達から盛り上げてくれたりしたおかげで、とっても素敵なイベントになりました。

何度も言うようだけれど、今回のナビキャンは「学び」がテーマ。経験者は更なるスキルアップに、初心者は「できた」を経験してアウトドアの入り口になれば、と思って講習の時間を用意しました。ナビキャンが、いろいろな人の遊びの交差点になったらいいなと思っています。

来年は今回の反省点をブラッシュアップして、ストレスなく、さらに楽しめるイベントにして開催したいと思います。今回ご参加いただいた方、このレポートを読んで参加したくなった方、皆さんのご参加を心からお待ちしています。それでは、また来年!

Pack and Go! (文・ウメ)

おまけ〜これまでのナビキャンの歴史〜

第0回(2022年5月)は関係者のみを招待して12組24名。当時はPMM(Paago Mounting Marathon※諸説あり)という名前だった

第0.5回(2022年9月)は26組52名。まだこの大会まではプレイベント的な位置付け。移動ポイントが行方不明になって、トータスの堀田さんが見つけに行ってくれたのがいい思い出

第1回(2023年5月)は28組56組。正式な第1回大会箱の大会。コンテンツが定着し、突撃!隣のキャンプサイトや、変な(?)ラジオ体操などもあった

そして今回、第2回(2024年6月)は58組116人。前回の2倍以上の人数なので、前の写真に比べると奥行きがすごくある。来年はこの人数規模で短縮せずにやりきりたいなあ!